心に余白を

新年明けましておめでとうございます。
2024年になり、行政書士としてとスタートを切らせていただきました。
新米書士ですが、お客さまのために誠心誠意業務にあたりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

さて新年早々、元日から石川県能登地方を震源とする最大震度7の「令和6年能登半島地震」が発生しました。
数多くの死傷者発生に加え、正月3が日だけでも震度1以上の地震が500回を超えるなど、新年早々不安な毎日を過ごされている被災された方々とそのご家族には、心よりお見舞い申しあげます。
加えて、災害対応に奔走されている地元自治体をはじめとした各行政機関の皆さま、ライフライン事業者の皆さま、流通事業者の皆さまなどにおかれましては、本当に大変なご尽力をされておられることが容易に想像がつきます。

私自身、2004年7月の新潟・福島豪雨、同年10月の新潟県中越地震では災害発生直後から被害確認、避難所開設運営、救援物資配布などを経験し、2007年中越沖地震では国直轄国道の被災調査や報道対応など直接対応を行ったほか、中越地震の発生から10年を要した国道291号復旧事業や地域コミュニティ再生事業などハードソフト両面での災害対応に従事してまいりました。
震度6強を記録した2007年の能登半島地震の際も国土交通省職員として能登有料道路の被災調査や珠洲市、輪島市の観光再生事業などにも関わらせていただきました。
今回の地震で被害を受けた見附島の美しさは今も脳裏に焼き付いています。
その他豪雪による道路の通行交通の麻痺や、雪崩災害など、とても数多くの災害現場をこの目で見て、そこでの従事を行ってきました。

災害発生直後は地域の皆さまも事業者の方も行政職員もすべの人が少なからずパニック状態になります。
断片的にしか得られない情報と恐怖、不安、不公平感に対する怒りなど、ネガティブな思考が膨らんで心の余白がなくなってしまうんだと思いますし、これは当然のことだと思います。
かつて、2004年新潟・福島豪雨の災害対応にあたっていた私の親友の職員から、災害ゴミの回収に伺った地域で、「なんでゴミの回収がこんなに遅いんだ!」「隣の町内は昨日回収に来ていただろ!」と怒号を浴びせられ、複数の住民に殴られ、蹴られながら廃棄物の積み込みをした話を聞かせてもらいました。
彼が数ヶ月前に建てた新居も床上浸水の被害を受け、家財の避難よりも災害出動を優先し、とりあえず家族を避難所に置いて従事している状況の中での話です。
私も300人ほど受け入れていた避難所で「炊き出しのおにぎり配布が遅い!」「冷めている!」などと、普段良好な関係を持っていた地域の代表の方から吊るし上げられた経験があります。

情報の不足や支援のばらつき、ライフラインの復旧遅れなど、被災地では当たり前に起こりうることです。
人工透析や処方薬の枯渇、妊産婦など医療的なケアが必要な方や乳児へのミルク、おむつ支援など、まったなしの対応は必ず行政機関が最優先で行ってくれるので、そこはご家族や知人を頼ってでも真摯に相談してください。

被災直後は本当に不安で、情報もなく、生きた心地がせず、悪いことばかりを考えがちとは思いますが、少しだけでも心に余白を残す努力をしてください。
時間は少しかかるかもしれませんが、必ず皆さまにそれぞれ必要な支援の手は差し伸べられます。

もうしばらくです。もうちょっと頑張ってください。

私も微力ながらできる範囲でご支援させていただきたいと思います。